電気工事業における
    再生アクションプログラム

目      次
3.市場環境変化に対応する電気工事業の経営戦略

項 目

内 容

各社におけるSWOT分析による経営環境確認と自社の現状把握

○市場環境変化からみた、自社にとっての「チャンスと脅威」、および「強みと弱み」について、現実を正しく把握し、課題を社員全員が共有することが必要である

○テリトリー概念の崩壊に基づく競争激化、下請け型自社ポジションに固執することのリスク、直接受注機能の脆弱さ、現場労働生産性の低さ、管理コストの増加などへの認識と対応が重要

○市場変化として、デジタル線と電力線のセット化、光ファイバーの普及、スポット方太陽光発電・風力発電の増加、リフォームマーケットの拡大など、需要構造変化に対応する新たな事業戦略構築が重要なポイントになる

○これからは、本業強化に加え、これらの成長市場に本格進出することで収益を分散、多様化することも生き残りの鍵

多様な切り口によるポートフォリオ分析と営業戦略の再構築

○顧客別、工事内容別、受注形態別等の区分によるポートフォリオ分析(資料参照)により、営業戦略を強化する

○顧客別あるいは工事内容別等の区分において、基本的な営業方針や具体的な営業行動計画を策定するが必要

○個々の顧客について、間接費まで考慮した収益性の差や成長性、得意とする分野の変化、デジタル等の新市場への対応などを把握し、その顧客との取り組み方針を決定する

セグメンテーション分析

○受注内容を層別(セグメンテーション)し、その区分に基づく詳細な受注分析を行う

○工事種別や受注区分別の粗利、コスト構造の相違、新分野工事受注の採算性など、各種セグメント区分による各種分析により重点・優先政策を決定する

競合・成功企業分析

○競争相手の分析により自社との相違(隔たり)を把握し、強さ弱さのポイントとその原因を探る

○同業で成功している企業の分析を行い、競争力の格差や成功の要因を探る

○とくに人的レベルや経営戦略について把握し、経営機能のレベル差を知る

○次に自社との隔たりを認識し、強みをより強化し、弱みを改善する具体的方策を打ち出す

コスト構造分析

○自社のコスト構造を分析し、その中に潜在する弱点を探る

○とくに、現場労務コストの把握について、連続稼動(作業)分析やワークサンプリング法等の生産管理の手法を用いて分析する(標準原価にも影響)

○ABC分析(活動基準原価)により間接コスト構造分析を行う

○現場労務コストと間接労務コストの構成比変化について、時系列的に把握する

○間接費の内、管理または営業コストと収益力のバランスに注意

○時間を基準とするコスト管理を重視し、とくに労務における付加価値作業時間と非付加価値作業時間の構成比とその変化を確認することが重要

○労務費に潜在する労働のムダの発見が、コスト構造分析を行う最大の狙い

ABC原価管理の導入(Activity Based cost)

○活動基準原価といい、間接費(とくに管理・営業費)の配賦について、コスト比例の活動基準(ドライバー)による計算を行い、適正な間接費を把握し、部門別あるいは工事種別、顧客別、その他各種区分別に正確な最終利益を算出する手法

○配賦基準としてのドライバーの設計がポイントになる

実行予算制度の機能改革

○積み上げ方式である従来からの実行予算制度から脱却する

○実行予算書をコスト削減のツールとして機能させる

○実行予算書は、現場責任者が作成し、現場で使用し、現場で評価・検証するものに変えていくことが重要

○設計段階のVE/IEと現場施工段階でのVE/IEを区分して、実行予算書への組み込みを行う

○実行予算書作成の前提となる標準や基準が、常に見直される仕組みになっていることも重要なポイント

営業スタイルの革新

○営業日報はその活用目的が十分理解されており、実際に活用されているか確認する

○営業マン自らが活用する営業日報になっているか、ファオーマットや記入内容を再検討する

○営業行動と営業コスト(営業の採算性)について、営業マンは十分理解し自己の営業行動に反映しているか確認する

○営業マン一人一人が、個人レベルで営業ノウハウを開発しているか確認する

○従来からのゼネコン受注型営業から、提案型営業に変えていく

○提案型営業とは、問題解決型営業のこと(売るものは電気工事そのものではない)

○売るものが電気工事分野のみの単機能では、顧客対応に限界があり、顧客の広がりも期待できない

○単機能業態のままでは、経営リスクも拡大

○自社オリジナルの営業ツールの開発と、自社オリジナルの営業スタイルの確立が急務

企業統合・経常JV・協業組合化等による機能強化

○異なる事業分野を持つ企業同士の機能連携により、顧客対応機能を強化する

○具体的な手法としてはM&A等による企業統合、協業組合化、業務提携、経常JVの導入など

○今後、業界再編は避けられず、このような共同化について研究・検討が必要

PM(プロジェクト マネジメント)型受注を可能とする経営機能の強化

○電気工事業界においてもPM型受注を目指した機能強化が必要になる(テナント設計・運営支援、マーケティング支援、デザイン支援、オフィス支援、等)

○そのためには、機能提携、異業種との連携、経常JVなど、協同化で対応することも検討に値する

eマーケットプレイスへの対応

○電子商取引の時代を迎え、資材の購入等においてeマーケットプレイス(インターネット上の売買市場)が生れている

○顧客ゼネコンからの参加要求なども予想されるため、社内ITの整備は不可欠となっている

○IT化による業界支配構造の変化には常に注意しておかなければならない

キャッシュフロー経営の導入

○キャッシュフロー経営(とくに営業CFを重視)を導入し、資金計画、資金繰り、資金運用面を強化する。(資料参照)

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